会社とは『個』の集合である
Lifepictureは2015年3月に誕生した。
創業メンバーは3人で、資金は10万円しかなかった。
当時は、どうしようか考えあぐねていて、攻め手も何もないような状態で。
それでも、【スポーツデータ】を分析する努力をひたすら行っていて、
そのために、マネタイズできそうなことは少しでもトライしていた。
ただただ、時間だけがあって、
朝から渋谷のカフェでデータをつけ、
優雅にランチを取り、
午後から公園通りのミヤマカフェで作業を行って、
深夜にスカイプで爆笑しながらも、
世界中のスポーツゲームの試合予想を何時間もかけて行うような日々だった。
そこで見つけたのが、
メス(フランス1部)・オス(オランダ2部)・オルドゥスポル(トルコ3部)・ラベンダー・タリン(エストニア1部)…
などの名前が面白かったり、成績が面白かったりするような世界中のチームたち。
または、ネムゼティバイノクシャーグ(ハンガリーリーグ)などの一瞬では判断しにくいリーグたち。
「いやー、眠いね…」
なんて、前日朝まで海外サッカーの試合を見た後で集合した我々の目は充血し、
なんだかんだぶつかることもありながら、まずは生きるために必死になって、
徐々に暑さを増す大都会渋谷の街中を来る日も来る日も歩き続けた。
「いやー、まさかね…」
なんて、前日までがウソのように、
恵比寿ガーデンプレイスに入居したのは創業から半年も経たない2015年9月のこと。
なんだかんだやりながら、いつの間にか増えた資金で即日の入居を決めていた。
その頃には、暑さが次第に落ち着き、3人で歩く必要はなくなっていた。
「いやー、増えるとはね…」
なんて、2015年10月から言い続けたのも束の間の話、
なんだかなんだ2016年9月に至るまでの間に30人以上が一気に増えた。
寒さと暑さ、気温だけじゃない寒暖を経て、法人化を経て、いつしか時は変わっていた。
3人で築き上げてきたLifepictureに、
様々な特性や色が重なり、人生が折り重なっていく。
仕事が増え、人が増え、動くお金が増え、問題が増え、
見てきた景色は変わったし、3人で見ることはなくなった。
本質も変わったようにも思えていたところで、
部署も増え、オフィスも増え、それぞれの場所へと巣立ち、
新たな個が芽生えて、育っていく。
そんな時が、楽しくも怖く、流れていく時を客観的に感じていた。
それでも、偶然訪れた3人での邂逅。
別段、取り立てて喜びすぎるでもなく淡々と、あれから1年が過ぎた恵比寿のいつもの場所で、
「1年経過したね、おめでとう!」
何年経過しても、どれほどの会社になっても、
苦労しすぎた最初半年を忘れることはない。
特に、創業メンバーの一人が、もうひとりの創業メンバーに対して放った一言は忘れられなかった。
「今日、久しぶりに3人で会えたのは本当によかったわ。
俺もさ、人として苦手な部分は確かにあるんだけど…
どんなに場所が離れたり立場が変わっても、
『あの時』を一緒に過ごした大事な友達ってことに変わりはないんだよね」
聞いた瞬間から、溢れてくる涙が止まらず、
こうして書いている今も打つために堪えている。
あれから1年経過した今、遂に弊社メインサービスのローンチが決まった。
あまりにも忙しくて、あまりにやることが多くて、
わからないことばかりで、苦労も、不安も、緊張感も一心に背負ってきたし、
これからも創業メンバーや早期からいたメンバーには特に迷惑をかけてしまうかもしれない。
人生を賭して、この会社にかける価値が、かけてもらう価値があるかなんて、
見せていくしかない。
ただ、僕らが見てもらいたい景色は、
特に難しいものでも、きれいすぎる絶景でもなく、
1年前、渋谷で、スカイプ上で、
笑い転げながら世界中のチームについて調べ上げていたバカみたいな時間を、
少しでも共有できる仲間を欲しているんだと思う。
会社には、オリジナリティとアイデンティティがある。
結局は『個』であり、
会社それぞれの色を踏まえながら、自分の色と織りなしていくのが文化につながる。
明日は、どんな笑い話が飛び出るだろうか。
バカみたいに笑ってられる今の会社の笑顔の文化は、
どれだけ成長しても伝え続けたい。
笑いすぎた深夜の時間に得た様々な知識が今をつくっている。
さらなる未来は、きっと、今のオフィスの何処かに芽生えているんだろう。